1982/09/20(Mon) 09:32
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01. ネブラスカ
02. アトランティック・シティ
03. マンション・オン・ザ・ヒル
04. ジョニー99
05. ハイウェイ・パトロールマン
06. ステイト・トルーパー
07. ユーズド・カー
08. オープン・オール・ナイト
09. 僕の父の家
10. 生きる理由
親友から譲り受けた Bruce Springsteen の直筆サイン入りの
このアルバムのLPレコードが、部屋に飾ってある。
吉里爽がリアルタイムで聴いた、最初の Bruce Springsteen のアルバム。
リリース当時、ティアックのMTRで録音した弾き語りのデモテープを
そのままリリースしたということが賛否両論を巻き起こした記憶がある。
後から伝え聞くところによると、‘ Born in The U.S.A. ’と同時期に
レコーディングされていたらしい。
アコースティックギターとハーモニカ以外の楽器は入っておらず、
飾り気のない歌の骨格だけがリスナーに提示される。
無駄のない表現で淡々と描かれる歌詞の世界は、精緻な筆致で描かれた
水墨画を思わせる。
これ以降の彼のソングライティングに一貫して存在する「視点」が
このアルバムで露見しているように思えてならない。
アルバムを通してテーマとなっているのは、どうしようもない現実と
それに対峙する普通の人たち。
「連続殺人に罪の呵責を感じない殺人犯」
「どん詰まりの状況の中でかすかな希望にすがって駆け落ちする男」
「幼い頃の父との思い出」
「罪を犯した兄をあえて見逃す警察官の弟」etc・・・
おそらくは、商業主義のポップミュージックが「商売にならない」
という理由で取り上げないテーマばかりだ。
スプリングスティーンの場合、常に「アメリカの」という形容詞が
ついてまわるが、ここに描かれていることは世界のあちこちで
起こりうる・・・、いや、現実に起こっていることだと思う。
彼のソングライターとしての拠り所、テーマはどこにあるのかを
示すと共に、本来の歌の力とはアレンジの巧拙とは別のところに
あることを示したアルバムと言えるだろう。
ちなみに、自分のお気に入りは、後にバンドアレンジでも歌われた02.
貧富の格差を嘆くでもなく淡々と描いた 03. である。
余計なお世話かもしれないが、シンガーソングライターを名乗る人、
目指す人たち、いや、既存の音楽業界で働いている人たちにも
(まだ聴いたことがないのであれば)一度は聴いてほしいアルバムだ。

