1982/02/24(Wed) 10:33
明日なき暴走(紙ジャケット仕様)
ブルース・スプリングスティーン

01. Thunder Road
02. Tenth Avenue Freeze-Out
03. Night
04. Backstreets
05. Born to Run
06. She's The One
07. Meeting Across The River
08. Jungleland
(Released in 1975)
Amazonで詳しく見る by G-Tools
アメリカの THE BOSS こと、Bruce Springsteen の
75年リリースのサードアルバム。
「吉里爽の人生を狂わせたアルバムシリーズ」の3枚目は、
これだ。
高校生当時、ボロボロになるまで読み込んだ
「ローリングストーン・レコード」でこのアルバムの存在を知り、
購入。
購入してから1年くらいは朝から晩までこのアルバムを聴いて、
その中で暮らしていたような覚えがある。
新宿区大久保3丁目で暮らすティーンエイジャーには
このアルバムで歌われていることすべてが真実であり
日々のBGMであり、また信じることができる某かの光であった。
もっと言うなら、この時期の自分のサントラ盤であったとも言える。
今思えば、このアルバムこそが吉里爽が隅から隅まで英語の歌詞を
覚えた、最初の洋楽アルバムではなかったか。
そして、このアルバムから立ちのぼるロックンロールと言う名の魔法が、
いや麻薬が吉里爽の魂を蹂躙し、解放し、宇宙の果てまでぶっ飛ばし、
挙げ句の果てには‘ Born to Run(生まれついてのかっ飛び)’という
タトゥーを心の奥底に刻んだのだった。
名作の誉れ高いこのアルバムは、彼のバックバンドである
The E Street Band の中心メンバーがバックを固め、
共同プロデューサーには「ロックンロールの未来」と御大を名づけた
張本人であるジョン・ランドーを迎えている。
ジャケット写真に写っているギターのストラップに付いている
バッジは、おそらく彼が敬愛するエルヴィスの顏写真だろう。
1曲目の♪Thunder Road で「勝つために敗残者たちの街を出る」
と勇んだ少年は2曲目の♪Tenth Avenue Freeze-Out で
10番街へと繰り出し、3曲目の♪Night の中で夜の精に心を解放し、
4曲目の♪Backstreetsでは挫折の涙を流す。
(LPでは、ここまでがA面だ。)
5曲目の♪Born to Run では生きる喜びを享受することへの祈りと
賛歌が情熱的に歌われ、6曲目のShe's The One(彼女でなけりゃ)
では恋の熱情がジャングルビートに乗せて解き放たれる。
7曲目の♪Meeting Across The River で川向こうで起こるはずの
秘め事に心ときめかせた主人公は、ラストナンバーの♪Jungleland で
種々雑多な人々がうごめく大都会で自らの居場所を探しあぐねて
途方に暮れてしまう。
捨て曲は1曲もなく、すべての曲が有機的に絡み合い引き立て合い
補完し合う、濃密なコンセプトアルバムである。
音楽的には、スプリングスティーンが青春時代に吸収してきた50s の
ロックンロール、ロカビリー、60s のブリティッシュ・インヴェンション、
スタックス、モータウンなどのソウル、R & B などが充分に咀嚼され、
親しみやすいメロディと絶妙なアレンジメントとして結晶化している。
余談になるが、かつてキャロルがヒットさせた矢沢永吉さん作曲による
ロックンロールナンバー♪ファンキー・モンキー・ベイビーが、
スプリングスティーンの盟友・ビッグマンことクラレンス・クレモンズの
ソロアルバムでカヴァーされていることをご存じだろうか?
そして、スプリングスティーンと矢沢永吉さんは共に1949年の9月生まれで
誕生日もわずか10日ほどしか違わず、2人ともバンドメンバーや
スタッフからBOSS !と呼ばれてリスペクトされている。
ロックが細分化され求心力を失いつつあった70年代半ばにこのアルバムで
そのダイナミズムを高らかに表出させたスプリングスティーンと、
ロック不毛の地であった日本において道なき道をトラベリン・バスで
往きながらロックンロールを体現し続けてきた矢沢永吉さんが、
ほとんど同時期にこの世に生を受け、同じニックネームを持つことに
驚きの念を禁じ得ない。
閑話休題。
「あのアルバム(制作)は、俺のすべてを食い尽くした」と後に語ったと
伝え聞いたが、まさにアーティスト生命の何分の一かを注ぎ込んだと
思わせるほどの労作であり、過不足ない演出とキャスティングで
仕上がった1編の上質な映画のように、いつまでもそして今でも胸に残る
傑作だ。
人生でもっとも多感な時期にこのアルバムと出会えたことの幸せを
しみじみと噛みしめたい。
ロックが好きなら、ロックンロールを語るなら、マスト・バイ!である。

ブルース・スプリングスティーン

01. Thunder Road
02. Tenth Avenue Freeze-Out
03. Night
04. Backstreets
05. Born to Run
06. She's The One
07. Meeting Across The River
08. Jungleland
(Released in 1975)
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アメリカの THE BOSS こと、Bruce Springsteen の
75年リリースのサードアルバム。
「吉里爽の人生を狂わせたアルバムシリーズ」の3枚目は、
これだ。
高校生当時、ボロボロになるまで読み込んだ
「ローリングストーン・レコード」でこのアルバムの存在を知り、
購入。
購入してから1年くらいは朝から晩までこのアルバムを聴いて、
その中で暮らしていたような覚えがある。
新宿区大久保3丁目で暮らすティーンエイジャーには
このアルバムで歌われていることすべてが真実であり
日々のBGMであり、また信じることができる某かの光であった。
もっと言うなら、この時期の自分のサントラ盤であったとも言える。
今思えば、このアルバムこそが吉里爽が隅から隅まで英語の歌詞を
覚えた、最初の洋楽アルバムではなかったか。
そして、このアルバムから立ちのぼるロックンロールと言う名の魔法が、
いや麻薬が吉里爽の魂を蹂躙し、解放し、宇宙の果てまでぶっ飛ばし、
挙げ句の果てには‘ Born to Run(生まれついてのかっ飛び)’という
タトゥーを心の奥底に刻んだのだった。
名作の誉れ高いこのアルバムは、彼のバックバンドである
The E Street Band の中心メンバーがバックを固め、
共同プロデューサーには「ロックンロールの未来」と御大を名づけた
張本人であるジョン・ランドーを迎えている。
ジャケット写真に写っているギターのストラップに付いている
バッジは、おそらく彼が敬愛するエルヴィスの顏写真だろう。
1曲目の♪Thunder Road で「勝つために敗残者たちの街を出る」
と勇んだ少年は2曲目の♪Tenth Avenue Freeze-Out で
10番街へと繰り出し、3曲目の♪Night の中で夜の精に心を解放し、
4曲目の♪Backstreetsでは挫折の涙を流す。
(LPでは、ここまでがA面だ。)
5曲目の♪Born to Run では生きる喜びを享受することへの祈りと
賛歌が情熱的に歌われ、6曲目のShe's The One(彼女でなけりゃ)
では恋の熱情がジャングルビートに乗せて解き放たれる。
7曲目の♪Meeting Across The River で川向こうで起こるはずの
秘め事に心ときめかせた主人公は、ラストナンバーの♪Jungleland で
種々雑多な人々がうごめく大都会で自らの居場所を探しあぐねて
途方に暮れてしまう。
捨て曲は1曲もなく、すべての曲が有機的に絡み合い引き立て合い
補完し合う、濃密なコンセプトアルバムである。
音楽的には、スプリングスティーンが青春時代に吸収してきた50s の
ロックンロール、ロカビリー、60s のブリティッシュ・インヴェンション、
スタックス、モータウンなどのソウル、R & B などが充分に咀嚼され、
親しみやすいメロディと絶妙なアレンジメントとして結晶化している。
余談になるが、かつてキャロルがヒットさせた矢沢永吉さん作曲による
ロックンロールナンバー♪ファンキー・モンキー・ベイビーが、
スプリングスティーンの盟友・ビッグマンことクラレンス・クレモンズの
ソロアルバムでカヴァーされていることをご存じだろうか?
そして、スプリングスティーンと矢沢永吉さんは共に1949年の9月生まれで
誕生日もわずか10日ほどしか違わず、2人ともバンドメンバーや
スタッフからBOSS !と呼ばれてリスペクトされている。
ロックが細分化され求心力を失いつつあった70年代半ばにこのアルバムで
そのダイナミズムを高らかに表出させたスプリングスティーンと、
ロック不毛の地であった日本において道なき道をトラベリン・バスで
往きながらロックンロールを体現し続けてきた矢沢永吉さんが、
ほとんど同時期にこの世に生を受け、同じニックネームを持つことに
驚きの念を禁じ得ない。
閑話休題。
「あのアルバム(制作)は、俺のすべてを食い尽くした」と後に語ったと
伝え聞いたが、まさにアーティスト生命の何分の一かを注ぎ込んだと
思わせるほどの労作であり、過不足ない演出とキャスティングで
仕上がった1編の上質な映画のように、いつまでもそして今でも胸に残る
傑作だ。
人生でもっとも多感な時期にこのアルバムと出会えたことの幸せを
しみじみと噛みしめたい。
ロックが好きなら、ロックンロールを語るなら、マスト・バイ!である。
